拝啓 高山市の幸子様。
もう、お孫さんに囲まれて幸せな老後を迎えた頃でしょう。
46年前2年間暮らした高山で僕の人生を豊かなものにしてくれた大切な人。エビフライの乗ったカレー。城山公園の恐怖の職務質問。神明町のお宅まで話しながら歩いた冬の夜道。(お父さんと)二人で行った横丁の風呂屋。僕の就職先が決まって一緒にスーツを買いに行きましたね。恋愛初心者だった僕は、遠距離になっても自分に「彼女」がいるだけで舞い上がっていました。
先月、45年前の写真を持って白川村を訪ねてみました。あの合掌家屋があの日のままに残っていました。あの日の写真の中のあなたの表情が暗いのは別れを考えていたからでしょうか。すでにご両親共亡くなり、神明町の家には誰もいないと聞きました。
今、250km離れた愛知県の田舎で太平洋をながめて暮らす僕とは偶然にも会うことはないでしょう。すれ違ったとしてもお互い変わり果てた姿に気づかないかも。
今はもう懐かしさしかありません。名字も住所も電話も、生死すらわかりませんが元気なうちに一度昔話ができたらとおもっています。
あなたと御家族がシアワセであるようエールを送っています。


戻 る






Back to Top